ネットトラブルはさまざまです。
特長は,匿名で発信者が分からない場合があることです。
その際は,発信者の特定のための手続きが必要で,通信記録の保存期間が比較的短いため急いで手続きを行う必要があります。
次のようなトラブルを抱えたら,早めに相談しましょう。
◯SNSなどでの誹謗中傷
内容が名誉毀損や信用毀損に当たるか確認が必要です。
違法なものと判断できれば対処を検討しますが,賠償請求の裁判まで見据えると,かかる期間と費用に見合う賠償を獲得することは容易でないので悩みます。
手続きは,発信者の特定のための手続き(※),発信の削除の請求,発信者への賠償等の請求に分かれます。
削除と発信が繰り返される場合などは特にURLが分かるような形で証拠保存しておくべきです。
(※)令和4年10月から新しい発信者情報開示命令の手続きが始まりました。
◯ネット通販
返品などの事例があります。ネット上に返品等の定めの表示がない場合は,法定の返品権(8日以内)があります。クーリングオフとは異なります。
◯著作権,商標権侵害,不正競争
個人では写真やイラストを勝手に使われた,法人では登録商標と類似の標章を使われたなどの事例があります。
刑事罰もありますから,使う側も注意が必要です。
◯プライバシー情報,秘密情報の漏洩
個人ではプライバシー情報をネットで書かれた,法人では会社内の秘密をネットで漏らされたなどの事例があります。組織では,日頃,秘密保持等の規則を周知しておくべきです。
◯いじめ,ハラスメント
ネットだけの問題ではありませんが,拡散して被害が拡大したり,関与する者が増えたりします。問題になる発信は,削除されたりブロックされる前に保存しておくべきです。
◯ネット犯罪
出会い系サイトやフリマサイトで詐欺被害にあう事例があります。
ネットでは被害者が見えにくく,簡単にできてしまうために,若い方が加害者になる例も増えています。大麻などの違法薬物の所持・使用もそうで,気軽に手を出してはなりません。